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柿くえば、鐘が鳴るなり法隆寺」魚あれこれ今回の書き出しは、あまりにも有名な正岡子規の俳句です。秋といえば、柿・そして「かき」の出回る季節です。江戸時代日本にはかきの殻で作った屋根「牡蠣屋根」がありました。そして世界各地の貝塚にはかきの貝殻が大量に残されていますがなんと1万年以上も前のことなのです。                                                                                                                                                                   
古代ギリシャでは「かき」をオストレオンと呼び食用にしました。次の時代のローマ人は「かき」をオストレアと呼び競って食べました。オストレアは「かき」の学名になり、英名オイスターになったのです。ヨーロッパ人のかきへの情熱は日本人より深く、その歴史の古さは多くの伝説を残してきました。例えば、ジュリアスシーザーがイギリスを攻めたのはテムズ川河口の良質なかきを手に入れたかったからだとか、フランスのアンリ4世はいつも20ダースものかきを食べていたとか言われています。                                                                                                                                                                   
ヨーロッパでは生ものを食べないのにかきだけは例外。かきを生のままレモンをかけて食べるのが伝統的な食べ方なのです。それは大型で肉厚な日本のかきに比べ、欧米のかきは小型で肉が薄いためです。フランスの一流レストランでは、かきをサイズによって5段階に分けお客に選ばせるそうですが、最大のものより3番目のサイズのものが生食用に好まれているそうです。                                                                                                                                                                   
日本でかきの養殖が始まったのは、延宝年間(一六七三〜一六八一)、今の広島県草津です。海底に置かれた種がきが成熟するのに2〜3年かかるのですが、かきを常に水面下に置くようにすると、わずか1年で成熟するとわかったのが大正12年です。以後いかだからロープを垂らし、15センチ毎に7〜8個のかきを付ける垂下式養殖法が完成したのです。                                                                                                                                                                   
ところで何故かきが養殖に適しているかと言いますと、それはかきが付着生活をするからです。かきは雌雄異体で卵生です。6月〜8月、水温が23〜25度になると水温の上昇と塩分の低下のわずかな刺激によって産卵が始まります。放卵された卵は水中で受精し、トロフォア幼生とべリジャー幼生を経て約1日でD型幼生となり、15〜20日後には肉眼に見える大きさに成長し、親貝・岩・他の貝殻などに付着するのです。海中を浮遊する時期の成長は水温に関係しまずが、1カ月後には殻長3ミリに成長するのです。                                                                                                                                                                   
さて、かきは細長い「真かき」と丸い「いたぼかき」に大きく分けられますが、日本で最も多く養殖されているのは「真がき」です。広島や松島出身がポピュラーですが、長崎熊本出身「すみのえがき」も有名です。又サロマ湖出身の「ながかき」は、深い所で育つので大きさが30センチにもなります。欧米でもRのつかない月5月〜8月はかきを食べるなと言われていますが、夏はかきの産卵期の為鮮度が落ちやすく中毒にかかりやすいためです。しかし春から夏にかけておいしい天然の「いわがき」は例外です。                                                                                                                                                                   
あっちこっち移りの気の誰かさんいえ他の貝に比べ、このかきという二枚貝、付着すると一生動かない性質があります。実に感心なかき、体が小さいのに1時間に20リットルの海水を体内に取り入れ、プランクトンをえらでこし摂取し20時間で完全に老廃物や細菌を排出しています。このパワーのせいでかきの栄養バランスはすばらしく鉄分、ビタミンに富み、「海のミルク」と言われています。                                                                                                                                                                   
また 2月にはグリコーゲンの量は100グラム中5.7グラムにまで達し、ぬるぬる部分に含まれるタウリンというアミノ酸にはビタミンを消化吸収する働きや、血中コレステロールを減らしたり血圧を正常に保つ作用もあります。かきの身は貧血・高血圧・低血圧・肌荒れに効果があり、殻を乾燥させた生薬「牡蠣(ぼれい)は、精神安定・胃酸過多の特効薬です。                                                                                                                                                                   
香りが生命のかきの肉質はなめらかでソフトでとろけるおいしさは最高。レモンをかけフランス風に生で食べるのもおしゃれだし、トマトケチャップのカクテルソースを添えるアメリカ風も良し。酢がき、かきフライ、かきグラタン、ベーコン巻き、シチュー、かきなべ等、調理法は限りなく、女心とかきの皿は変化した方が、いとおかし。                                                                                                                                                                   
かきの養殖場のことを英語では「オイスターパーク」といいますが、日本では「かき出」「かき床」といいます。海に浮ぶ養殖いかだはまるで公園のようで、秋を色どる紅葉が山のすそ模様のごとく海の上に幾何学模様を美しく措いています。フランスの一級レストランに行かなくても、バカラのグラスにワインを注ぎ、キャンドルの灯りで生がきを食べ、クレオパトラより優雅で美しくなりましょう。和食でも洋食でも、天然でも養殖でもおいしいかき。食べる相手はインターナショナル、恋心を描くには外国語の勉強から?言葉より美しいハートに身がきをかけましょう。(F・F)                                                                                                                                                                   
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横浜市場活性化協議会 - 2004年8月15日作成 - 2007年2月28日更新
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