毎年、この時期に多発する感染性胃腸炎(嘔吐・下痢)の病原体は、ノロウイルスやロタウイルスです。ノロウイルスの感染力は、強力で10〜100個の少ないウイルス量で感染します。感染経路は、ウイルスに汚染された飲料水や食物による感染、いわゆる経口感染(食中毒)ですが、最近では、感染した調理従事者や配膳者が汚染した手指で、食材を扱ったことが、原因の集団食中毒も報告されています。また、ノロウイルスに感染した人の嘔吐物が乾燥し空気中を浮遊し、これを吸い込むことによって起こる塵埃(じんあい)感染の事例もあります。
ノロウイルス食中毒を予防するためには、『トイレの後、食事前、調理前の石鹸・流水による手洗いの励行』『加熱の必要な食品は、中心部までしっかり加熱する(85℃1分以上)』『下痢や嘔吐などの症状がある場合は、食品を取り扱わない』『ふきん、まな板など調理器具類の消毒をこまめに行なう』などが必要です。
また塵埃感染を防止するためには、『嘔吐物などを処理する場合は、塩素系漂白剤を使用する(エタノールや逆性石鹸はあまり効果がない)』ことが重要です。
今年も「感染性胃腸炎」の患者数が増加してきたことから、11月5日に神奈川県が「ノロウイルス食中毒警戒情報」を発令しました。ノロウイルスの特徴を理解して、予防対策をしっかり行いましょう!
(横浜市中央卸売市場本場食品衛生検査所)
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