店頭では、クロマグロ(本マグロ)やメバチマグロなど種類の違い、天然・畜養(養殖)など漁獲方法の違い、生・冷凍の保管の違いなど、多様なマグロが1年中並びますが、マグロの旬は、餌となるイカや魚をたっぷり食べて体に脂が乗る冬です。
今の時期にお勧めなのは、ミナミマグロ(インドマグロ)。名前のとおり南半球で獲れるこのマグロは、日本が夏を迎える今の時期、南半球では冬を迎えるため、ちょうど旬にあたり、オーストラリアから脂の乗ったマグロが空輸されてきます。魚体が小さいときに捕獲されて、いけすで餌を十分に与えてから出荷される畜養物には、脂がたっぷりと乗り濃い味わいで、脂の乗ったマグロが好きという方にお勧めです。また、クロマグロやミナミマグロに比べ漁獲量が多いメバチマグロは、9月〜10月にかけて、天然物が入荷されるようになります。色も鮮やかで赤身も中トロもおいしいうえ、クロマグロなどに比べて安価です。
生と冷凍では一概においしさの優劣はつけられません。冷凍技術が発達した昨今では、旬の時期に漁獲されたマグロを急速冷凍した品は、おいしさも、栄養面も落ちていることはありません。次回も引き続きマグロの話をお届けします。(横浜市中央卸売市場仲卸「相幸」)
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