中央卸売市場内にある食品衛生検査所では、年間約4000検体ほどの食品の抜き取り検査をはじめ(=写真=)、食品の取り扱い、施設の監視、保存温度などのチェックを行い、市場を流通する食品の安全確保に努めています。
夏場は、高温多湿の下で細菌の増殖スピードが大変速く、さほど時間もかからずに食中毒を起こす菌量までに達します。この時期の代表的な食中毒細菌の「腸炎ビブリオ」は、発症に数千万から数億個の菌が必要と言われています。最近の食中毒事件で多い「カンピロバクター菌」は、数百個程度の菌数で発症することが報告されており、しかもこの菌による食中毒は、季節に関係なく年間を通じて発生しているので注意が必要です。
食中毒の症状は、風邪の様な軽いものから激しい下痢やおう吐、脱水症状など、菌の種類や菌量によっても異なり、また、症状が現れるまでの時間も、食事後数時間から数日前の食事が原因となることもあり千差万別です。
細菌性食中毒を予防するためには、@清潔な取扱い(菌をつけない)汚れた手指、まな板を洗浄・消毒し他の食品・器具への汚染を防ぐA迅速な取扱い(菌を増やさない)購入した食品は必ず冷蔵庫に保管し、作り置きはせず調理後速やかに食べるB十分な加熱(食中毒菌を死滅させる)調理食品の中心部まで十分に加熱する。この食中毒予防の三原則を守り、暑い夏を乗り切りましょう。(中央卸売市場食品衛生検査所)
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