若草色の薄皮をむくと春の香りが広がるそらまめ。やわらかくて甘みとほんの少しの苦みをもつ実には、ひと粒ひとつぶ食べる楽しさがあります。「空豆」という名前の由来は、ほとんどの豆類のさやが枝から下がる形なのに対して、さやが空に向かって上へ伸びていくことから来ているそうです。さやの形が蚕(かいこ)の繭に似ているので「蚕豆」とも。
横浜市場に入荷するそらまめは、一月から五月頃までは鹿児島、五月は長崎、愛媛、千葉、茨城、六月以降は宮城、秋田、北海道と、生産地が北上していきます。
お買い求めの際は、さやの緑色が濃くて、実が大きく粒のサイズが揃っているものを選びましょう。豆類は鮮度の低下が早く、さやから出すとすぐに風味も栄養も落ちてしまうので、手早く加熱するのが美味しく食べるコツ。
さやから出して、塩を入れた熱湯で三〜四分茹でるのが最も簡単な食べ方。また、薄皮をむき小麦粉をまぶし、水で溶いた上新粉をつけ、一八〇度の油で一〜二分揚げるフライもおすすめ。薄皮に切り込みを入れ、衣をつけずに揚げる素揚げも簡単にできて、鮮やかな緑色が食卓の彩りになります。塩やレモンで味付けて、おつまみやおやつにぴったり。お好みで七味唐辛子や黒胡椒をふっても。
バーベキューでさやごと焼くと、蒸し焼きのようになり美味しく食べられます。写真は鹿児島県JAいぶすきのそらまめです。 (横浜丸中青果株式会社)
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