セレベス(里芋)
横浜丸中青果株式会社
年の瀬は、おせち料理に欠かせない野菜が数多く出回ります。細くて真っ赤な「金時にんじん」、芽が出た形を喜ぶ「くわい」などと並んで、里芋の種類が増える時季です。
ゴツゴツした形ときめ細かな食感の「やつがしら」と共に、「赤芽」という別名を持つ「セレベス」も、年末に登場する里芋の一種類です。 一般的な里芋のふた回りほど大きく、芽(茎)のつけねが赤いのが特徴で、別名もこれに由来しています。インドネシアの旧セレベス島(現スラウェシ島)原産と言われています。
セレベスを含む里芋類は、根ではなく茎の太った部分を芋として食用にしています。じゃがいも、さつまいも等いも類のなかで最も低カロリーです。「ずいき」と呼ばれる茎の部分は鮮やかな緑色ですが、セレベスは紫色。収穫時に竹べら等でかき取って、出荷します。
横浜市中央卸売市場には、十〜十二月頃、おもに千葉県産が入荷します。ねっとりとした食感で、セレベスのおいしさを楽しむには、薄い味付けの煮物が一番のおすすめです。里芋のなかでは比較的ぬめりが少ないので、料理しやすい種類といえるでしょう。
保存は新聞紙に包むなど乾燥を防いで、冷暗所で。泥は料理に使うまで落とさない方が長く保存できます。
(写真:千葉県JA富里市産)
(平成18年12月11日神奈川新聞掲載)
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