クリスマスローズ
株式会社神奈川県園芸市場
「ローズ」と言ってもバラの仲間ではありません。キンポウゲ科ですが、英国でクリスマスの時期になるとバラの原種に似た清楚な白い花を咲かせ始めるので、こう名付けられました。
原産地は地中海沿岸、歴史は古く、古代ギリシャのパルテノン神殿の近くにもたくさん咲いていたそうです。
草丈は15cm〜、頂に直径5cmほどの花を1〜3輪つけます。つぼみは白ですが、咲くと背面が淡い紫や緑色を帯びます。花色は白のほかに紫・緑・濃桃色などもありますが、こちらはオリエンタル系といって盛りが1〜3月の春咲きで、キリスト教の四旬節(レント)の頃に咲くことから「レンテンローズ」とも言います。
鉢物が一般的で、毎年楽しめるうえ色違いで揃えるととても可愛らしいです。切り花もあり、切り口を熱湯に5秒ほど浸して消毒すると水揚げが良く、5〜10日くらい持ちます。
日本には明治初期に渡来、和名は「雪起こし」。寒さに強く、冬枯れの大地で雪を持ち上げて咲くことから、そう呼ばれたようです。
クリスマスローズの花びらに見えるものはじつはガク弁で、花は中心の小さい部分です。ですから咲き終わってもしばらくは枯れずに美しいままなのです。
そのガク弁が5つあるので、合格(5カク)を願う花としても喜ばれています。
(平成17年12月3日神奈川新聞掲載)
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